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"#ff000" >現代医学もガンは全身病という見解が多数 局所破壊はまったく無意味がないことは常識 >実は自分たちの都合の良い理論をお互い勝手に採用して主張しているに過ぎない 「がんと闘うな」論争集 近藤誠編著 メディカルトリビューンブックス なぜ癌診療の原則がでたらめか ●対立する理論が共存するご都合主義本紙 どの国でも、個人や組織の利害関係を含めて正確な医学情報が伝わりにくい仕組みがあるんでしょうけれども、それにしても、なぜ伝わらないんだと思いますか。 川端 専門家じゃないと、本当のところは分からないし、そこで専門家として食っている以上、自分がやっていることが無意味だとは思いたくないし1。 近藤 無意味と思っても発言できないでしょうね。 例えば、アメリカの放射線治療医に個人的に聞けば、抗癌剤治療医に対する疑問をいうが、それは決して公式の発言にはならない。 抗癌剤を専門にしている人の中にも、例えば乳癌の再発にやってもしょうがないじゃないかといった意見を持つ人もいるけど、それをいうとパージされる。 川端 ミバエル・バウムという人がいて、彼はイギリス乳腺外科の第一人者の立場にいるわけですけど、二年ぐらい前に乳癌検診無用論を公言したら集中砲火を浴びて、一般のマスコミからもかなり言われて「彼は女嫌いだ」とまで書かれて(笑)、それに関する弁明がBMJ(BritishMedica-10urnaこに出てました。 それだけの立場にいる人でも、検診批判はすごく危険なんですね。 彼は検診に回す金があったら治療に回すべきだと言ってるんです。 検診が確かに乳癌死亡率を二〇何%下げかにしても、その金を専門医へのアクセス整備に向けるべきだとか、あるいは抗癌剤、ホルモン剤の臨床試験にお金を注ぎ込んだほうが最終的に助かる人の割合が多くなると、助かる人の数の計算もしているんですけど。 本紙 二つの理論が都合よく棲み分けをしているのは乳癌だけなんですか。 近藤 癌全体に多分当てはまるんだろうと思うけれど、データ的に根拠があるのは乳癌ぐらいなんですよ。 川端 あとはリンパ節郭清に関して言えば悪性里芭腫。 手術に関するトライアルは難しいから。 リンパ節郭清とほぼ同じことですけど、直腸癌に対する補助照射のデータはかなりあります。 近藤 ただいままでのデータをどうひっくり返して見ても、例えば拡大手術によって生存率が上がったという証拠や証明はないから、そういう意味で乳癌のデータと矛盾しない。 川端 例えば、リンパ節を広範囲に取ることで生存率が上がったという、はっきりとしたデータは一件もありません。 最近悪性黒色腫で、ある限られた条件の人でリンパ節を取ったほうが生存率が延びたというデータがアメリカから出ているんですが、その論文にディスカッションの付録がついていて、数人の専門医から、データ解釈の矛盾をつかれて袋叩きなんですね。 だから悪性黒色腫でも、いまのところはっきりしない。 「ない」とまで言えないけど、「ある」という証明に至ってない。 近藤 ただ、まあ、あらゆる癌の手術というのは、乳癌からの類推でやってるわけです。 川端 現時点だけ見るといろいろな意見が出てきますが、歴史を考えるとわりとすっきりします。 胃癌の系統的なリンパ節郭清という概念-これが現在の日本の消化器外科を支配している考え方で、その系統的リンパ節郭清は一九五〇年代ぐらいに梶谷先生(故梶谷鐶さん。 痛研附属病院名誉院長、勲一等瑞宝章受賞者)らが中心になって、乳癌のパルステッド手術をモデルにして作った体系です。 それが確固たるドグマになって残っているわけですけれど、その元であるパルステッド手術が消滅してしまった。52~ >お互いが自分たちの利益に都合の良い理論を主張し、矛盾した全身病説と局所病説が混在して治療が行われている その医療現場の混乱たるやたいへんなものである その欲望の犠牲になるのは獲物たちである 目次 1頁 2頁 3頁 4頁 5頁 6頁 7頁 8頁 9頁 10頁 11頁 12頁 13頁 14頁 15頁 16頁 17頁 18頁 19頁 20頁 1ページ |
